読書兎の書庫

読書、音楽、映画、雑記

読書

スウェーデン型の福祉国家へ

「移行期的混乱」以後 ──家族の崩壊と再生 (犀の教室) 作者: 平川克美 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 2017/05/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 2日ぐらいで読了。日本てのは人口減少が日本のほんとうの問題(っていうか問題とも言えない)…

リンカーンとさまよえる霊魂たち

あけましておめでとうございます。 やっと読めた。ほぼ半年かかった。 死者と生者の狭間を描いた作品はたくさんあるけど、去年10月ぐらいに見た映画「ラブリーボーン」もそんな話だったなあ。 でもこの話はもっと読みづらい。戯曲調というかいろいろな死者の…

村上春樹 「騎士団長殺し」 スタバで読むのではあらない

(ネタバレも少しはあります) 「騎士団長殺し」発売日に買ったのに、やっとこさ読了。 ル・グィンばっかり読んでて、こっち忘れてた。 世界から注目されているプレッシャーって、想像できないなー。 話の流れや落ちはともかく、、、 その「物語を信じる力」…

「壁と卵」の解題・あるいはカネという奴を信じないということについて。

2017年1月29日これはただの文章、若しくは思考実験である。 金って言う奴から離れる。なぜならば……ということをいまから説明する。例えば血液型占いや、血液型による性格判断が当たっていたとしよう。実際はどうだかわからない。そんなものないと科学が実証…

「世界が終わる夢を見る」と村上春樹

亀山郁夫「世界が終わる夢を見る。」 のpart1神の夢ー1Q84のアナムネーシスを読む。 象徴化の執念、全体を描きたいというものすごく強い意志、見世物の世界に騙されるという素直な心構え、アナムネーシス(想起)、人間の魂が真の知識であるイデアを得る過程…

須賀敦子「遠い朝の本たち」

父が一九七〇年に六十四歳で死んだとき、私は岩波の日本古典文学大系の揃いを、ごっそりもらった。父は会社をやめたら、一冊ずつ、読んでいくつもりだったのだろう。ほとんど、ページを繰った痕跡のないなかで、平家物語だけは、しっかりと読んだあとがあっ…